「原稿、スライド、検索、発表までパソコン1つでできたので
今までの発表の機会よりスムーズに発表準備ができた」
振り返りシートの生徒の感想を読みながら、
そうそう、
「これが4年前から考えてきたことの1つのゴールなのだ」
と実感しました。
以下、実際に行った授業について書いています。
①レッスンプラン
②工夫した点について
③反省点
④感想
①レッスンプラン
全体指導計画
壱 教科書 "My Dream" 内容理解→音読活動
弐「自分の夢」について原稿作り
参 スライド作成
四 練習1(ペア) 持ち時間2分30秒
五 練習2(ペア) 持ち時間3分
六 練習3(予行 グループ)持ち時間3分
七 本番(グループ) 持ち時間3分30秒
八 Best Presentersによる実演
<練習1の流れ>
0生徒は授業が始まる前にPCにログインし、Classroomを開く
予め投稿しておいた「本日の授業の流れ」を読む
1個人練習(15分)
2ペア練習①(5分)
個人練習(3分)
3ペア練習②(5分)
個人練習(3分)
4ペア練習③(5分)
5振り返り(10分)
<練習2の流れ>
0生徒は授業が始まる前にPCにログインし、Classroomを開く
予め投稿しておいた「本日の授業の流れ」を読む
*前時の振り返りシートで、生徒から出てきた質問や困っていることなどを共有する
1個人練習(5分)
2ペア練習①(6分)
個人練習(3分)
3ペア練習②(6分)
個人練習(3分)
4ペア練習③(6分)
5振り返り(10分)
6スライド調整+個人練習
<練習3の流れ>
0生徒は授業が始まる前に教室の机を端に移動させる
PCにログインする
1班に分かれる7人班×4、6人班×2(合計40人)
*「振り返りシートから」共有
2予行練習
3振り返り(10分)
4スライド調整+個人練習
<本番の流れ>
0授業が始まる前に教室の机を端に移動させる
PCにログインさせる
1班に分かれる
*「振り返りシートから」共有
2本番
制限時間一人3分30秒
3振り返り(10分)
4動画および原稿データの提出
②工夫した点について
1 授業内に練習時間を確保
第1回目の授業のはじめに15分とって練習をさせることでPCのスライドの操作や
原稿に何度も目を通させることができたと思います。
2 ペアは毎回チェンジ
ペアが被らないようにすることで、毎回緊張感をもたせ、マンネリ化を防ぎました。
3 プレゼン後、英語の質疑応答
1回目から本番での持ち時間は3〜4分であると伝えました。
生徒のプレゼンは平均約1分30秒でした。残りの時間中、質問が続かない
ことがあります。「どのような質問がよいか?」や「質問は相手への敬意を表すこと
だ」や、即興の質問なので、聞き手も、話しても「正確さを気にする必要はない」な
どということを繰り返し伝えます。
また、練習時に「質問をしないと気まずい」「質問はするもの」ということを
体感させます。
4 練習の度に制限時間が増加
「気恥ずかしさ」や「傷のなめ合い」で始まる私語を減らすため、最初、
持ち時間は短い方がよいです。回を重ねると質問は上手くなります。
5 振り返りシートの入力時間
タイピングが遅い生徒のことも考慮し、10分間与えました。
6 自己評価の工夫
声の大きさ、速さ、暗記、アイコンタクトなどの自己評価に加え
「本番が終わったときの自分を想像してみてください。どんな気分でいたいですか?」
という項目を設け、入力させました。1回目から本番を意識させます。
7 練習時、ながら発表OK
原稿を見て話すことを許可しました。
ただし「原稿から目を話すことができた」
「顔を見て、相手の理解度を確認できた」
などの項目を振り返りシートに入れ、本番までに目を話すことを意識させました。
8 PCのカメラで動画撮影
トラブル回避のため、1人の発表につき、2人でビデオを撮影させました。
9 スライド作成時間
50分授業1コマ分+25分を与えました。
この時間で作りきるのは難しいですが、ダレるので短めに設定しました。
10原稿の提出
今回はデータで提出、紙で提出の両方を許可しました。
今後はペーパーレスでいきたいと生徒に伝えました。
③反省点
1夢の内容が浅くなった
原稿を書く前に、英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授の
「消える職業・なくなる仕事」などを参考に、生徒にゆさぶりをかけたかったのです
が2学期中に終えるため、削りました。
(一人1台PCの授業を生徒に体感させる+研究授業を3学期にする予定のため)
2発表時間の変更
最初本番は4分と想定していましたが、1分程度で終わる生徒を見かけ、悩んだ末に
3分30秒に変更しました。もともと原稿の長さは指定していなかったので、生徒によ
って終わる時間に相当差が出ました。振り返りシートで、「本番で発表時間が足りな
った。」という生徒が1名いたのが残念でした。(自分の発表に納得が行かず、本番の
前日に原稿、プレゼンをすべて新しい内容に変更した…そうです。)
3原稿を写す手間と紙
生徒が発表する際に紙で提出した生徒はそれを見ながら行っていましたが、それ以外
の生徒はノートなどにPCのデータを書き写していました。「結局、紙を使うのか…」
書き写すことで覚えられる生徒もいるようですが、これは大きな課題です。
器用にスライドを使いながらドキュメンを見ている生徒もいましたが、
写す手間を考えるとプリントアウトさせるか?など次回に向けて改善したい
ものの一つです。
4添削地獄
毎年プレゼン→テストという順で行っていますが、今回はPCの件もあり、テストのあ
とにプレゼンをするという珍しいことをしました。テストではライティングセクシ
ョンで、「夢について」50語以上で書くことを課しました。また原稿の提出期限をテ
スト後に設定し、プレゼンの練習に入る前に必ず1回提出するように言いました。
これにより、2つの問題が出てきました。「テストで点を取るために適当な原稿を作
る生徒がでてきた」こと、と「テスト前に添削を申し出てきた生徒が多数いたこと」
が問題でした。結果として原稿を2回以上チェックすることになりました。
他の学年で違う活動の添削が重なったときなどは、添削地獄に陥り、休日にチェック
することもしばしばありました。結果クオリティが上がった生徒が多く見られたので
嬉しいですが、こちらの負荷についてもう少し軽減できるような計画を立てていきた
いです。
④感想
Power PointではなくGoogleスライドを使用させる一番の利点は機器とインターネットさ
えあれば、家庭でもシームレスに作業を行えることです。実際に多くの生徒が放課後だけ
でなく、家でも作業したようです。また、課題の添削をGoogleドキュメントで作成さ
せ、Classroomを通じて提出させたことで、コメント機能を使い生徒にリライトさせるこ
とができました。クラウドにデータに残るので、紙だと提出しない、または無くすという
生徒が一定数出てきますが、それが減ったように感じます。今回はハイブリット
(紙&データ)なので、今後さらに検証してみたいと思います。
冒頭にあるように、やはり1つのPCですべて完了するのはとても魅力的です。
これまでデジカメ、動作が不安定なタブレットPC、環境に左右されやすい
かつアニメーション等が充実しすぎているPower Point、などを駆使
し無理やり行ってきたグループプレゼンが一気にスマートになりました。
毎回の授業の振り返りをGoogleフォームで行い、動画をClassrooomで提出させること
まで終えた今、反省よりも達成感が勝っています。
多少なりとも使えるPCとwifiがあることで、生徒も私もストレスなく、
楽しむことができました。
さて、3学期の「行きたい国」プレゼンの準備をはじめよう。
<稚拙な長文を最後まで読んでいただきありがとうございました>
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