授業の中でスキット(寸劇)が一番好きです。
生徒の創造性が最も発揮されるからです。
回を追うごとに、クラス全体の成長を私も生徒も感じる活動です。
(プリキュア VS 敵)
今回はこんなスキットがありました。
「半沢直樹」、ミルクボーイの漫才、超大作7分超えスキット、英検の面接、ハロウィン、
ブラック企業、〇〇組事務所、盗撮で捕まった人の取り調べ…
(半沢直樹 VS 白井大臣)
お題はたいてい自由です。その方が見る方も飽きません。
(一回の授業で20組一気に発表させるので…)
(スキットのためにたくさん難しい単語を暗記したそうです。びっくり!)
また、発表を盛り上げるための工夫は基本的に何をしてもよいと言っています。
小道具を作る、現物を持ってくる、音楽や動画使う、踊る、なんでもありです。
スキットにはたいてい授業2回分を使います
1回目:スキットの作成
2回目:スキットの発表
New CrownではLet's Talkという短い会話中心のページが単元ごとにあります。
レストランでの会話や避難訓練など、ある場面と1つの文法事項が扱われます。
今回紹介するのは中学校2年生の"May I~?" 「もっといただけますか」
招かれた家で、「もう少しカレーをいただけますか?」と聞くという場面です。
今回は
1 一人で音読(1回)
2 新出単語のリピート(デジタル教科書を使用)
3 本文のリピート(1文ずつ)(デジタル教科書を使用)
4 ペアで音読(2回)
5 help yourselfの文化について日本語で説明
を手早く完了させました。(約5分)
音読の回数を増やしたり、日本語で内容確認をさせることもありますが、
(解説プリント日本語訳つきを配るときもあります)
スキットをじっくり作らせたいので、できるだけさっと終わらせます。
いよいよスキット作成です。
1. スキット用紙(プリント)を配布します。
用紙には3つの指示が書かれています。
① May I~?を必ず1回使うこと
② ペアのうちの一方を提出し、先生のチェックを受けること
③ できるだけストーリー性をもたせ、見ている人を楽しませること
あとは線が書かれているだけで白紙です。
2. スキットの発表日を伝えます。
次回ということもしばしば・・・
3. 放置(すてきなBGMとともに:しっとりしたjazz(歌なし)など)
今回は25分くらい放置しました。
終了
放置している間、生徒は英文を私に尋ねたり、辞書を引いたり、インターネットで検索したりしながら、ペアで英文を完成させます。
(*授業中、私に日本語で話かける人は全員無視されます。こみいった内容や説明を伴う難しい文のときは日本語の使用を許可します。私も日本語を使うことがあります。)
授業内外でスキット用紙が提出され、それを添削します。これがとても大変です。
みんな好き勝手に作るからです(笑)
最初に書いたように、
「半沢直樹」、ミルクボーイの漫才、英検の面接、ブラック企業…
少し例を挙げるだけでもこんな感じです。もはやただのコントです。
1クラスで合計20種類のスキットができます。
もちろんペアによっては教科書に近い正統派な内容や短いスキットをする生徒もいます。
分量の制限はありませんが、生徒のレベルによって、もう少し書き加えたら?などとアドバイスすることもあります。また、スキットをやり始める1年生や2年生の前半では、内容が薄かったり、笑いが少ないこともあります。
関西人は笑いにシビアです。だからこそ、放って置いても毎回レベルが上がっていきます。
私は日頃、授業中あまり教えませんし、いろいろ指導しませんが、
表現の仕方については指導します。
いつもスキットが始まる前に言い聞かせるのは(英語で書き、指示しますが)
パフォーマーへ
1 声を全員に届ける(声の大きさ、クリアさに気をつけよう)
2 顔を上げて観客を見る(白板や床を見ず、客に顔を向けよう)
オーディエンスへ
1 リアクションする(オーバリアクションでパフォーマーを安心させよう)
2 笑顔(パフォーマーに温かい笑顔をみせて、勇気づけよう)
演技がうまいペアや生徒には、スキット後に、「女優!」と声をかけたり、「最優秀俳優賞!」などとコメントしたりします。
"Hey,△△! You are a great actress!!
"Everyone, did you know 〇〇 is such a wonderful actor?"
英語に自信がない生徒でも、とても演技力があったり、ゆっくり丁寧に伝えようと
努力している生徒がいます。そういうときは本気で褒めます。
反対に、(厳しく)指導することもあります。
生徒が難しい文を小声で、また早口で言うとき。
「英文や内容はいいけど、せっかくやから、みんなが分かるようにしてほしい。」
誘い笑いをしたり、自分のネタにウケてしまう生徒がいるとき。
「パフォーマーは本気で演じて、本気で笑いを取りにいってほしい。」
毎回、複数名が亡くなる場合。
「すぐに人を殺さない!それだけで笑いを取りに笑いを取りにいかない!」
練習が十分でなく失敗、また言い間違いなどが大爆笑につながるとき。
「笑いのレベルが低い。」
予定調和でないことが笑いになって悪いことはないですが、そこに依存するのではなく、
あくまで内容勝負!と言い聞かせます。
最後に振り返りをして、よい表現や演技について取り上げます。
20組全部やると、授業内で終わらないこともあります。
(それはそれでいいかな・・・)
自由度が高ければ、困る生徒ももちろんいますが、楽しめる生徒が引っ張ってくれます。
制限がないので、必死に考え、練習し、演じ、ボケます。
ウケたときは素直に嬉しい。緊張の中、やりきったら嬉しい。
そうやって、いつの間にかみんなスキットが大好きになります。
1年生の授業の最初に言います。
「英語で笑いを取れるようになったら最強だ。でも忘れてはいけない。
日本人は、特に関西人は笑いに厳しすぎる。
外国人はそんなことないから。めっちゃ笑ってくれるから。
予想を遥かに超えたリアクションしてくれるから。」
気がつくと、生徒は関西人同士で、内容と演技で
ちゃんと英語で笑いを取れるようになりました。
そこに成長を感じます。彼らをとても誇らしく思います。
<小道具集>
①カメラ 毎回skitを撮ってます。
②カチンコ なんと破格の300円!!一目惚れして即購入!
"OK! Go action!"
"Take 2! Start!"
"Cut!"
など臨場感がとても出ます!
Flying Tiger Copenhagen
https://shop-list.com/women/flyingtiger/1400140/
0コメント